院試まとめ

院試が終わってから随分時間が経ってしまった。忘れないうちにまとめ。

院試結果
早稲田大学理工学術院創造理工学研究科総合機械工学専攻 合格(第一志望研究室)、辞退
東京大学大学院情報理工学研究科知能機械情報学専攻 合格(第三志望研究室)、辞退
東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻 合格(第一志望研究室)※進学予定

終わってみれば合格だらけ。うれしい反面、手ごたえはまったくなかったのに合格してしまったことに疑問が残る。早稲田は受かったとは思ったけど、東大は正直1次で落ちたと思っていた。特に情理。早稲田は前回書いたし、反省点は前回とほとんど変わらないので、東大院試に関して以下まとめ。先に言っとくと、今回のまとめは役に立ちません。


情報理工学研究科
テスト内容は

  • TOEFL
  • 数学
  • 専門科目
  • 面接

の4つ。TOEFLに関しては試験数日前から完全に体調を崩し、当日も微妙な状態での試験のわりにはできた。しかしひどかったのは数学。大問が3つあったのだが、解けたのはその中の小問1つ。足切られた!と確信する内容だったが、めげずに専門科目を受けたらなぜか面接へ進めた。知能機械は面接まで進めれば、どの研究室でも良いならほぼ合格確定。ただ、学際情報学府に本命を残していたので、辞退。以下各試験対策(?)。

TOEICと同じノリで行くと死亡確定。本来はTOEFL−iBTのスコアを提出するのだが、東大で1度だけTOEFL-ITPを行ってくれ、その成績のみITPで受け付けてもらえる。iBTがスピーキングやライティングがあったりで、帰国だったりしない限りかなりの鬼門なので迷わずITPを受けることをオススメする。ITPはリスニング・文法・リーディングの3つで、しかも難易度もTOEICよりは難しいが死ぬほどではない。リスニングは短期間では身に付かないかもしれないが、文法は2週間ガチでやればかなりの高得点が期待できる。
使った参考書は最後にまとめます。

  • 数学

対策したところがほとんど出ない上、内容も鬼畜。出題内容は大問が3つで、線形台数と行列を組合せた問題の証明・不定積分複素平面・確率統計。複素平面とか習ってないよ・・・という絶望感と、かなり対策したつもりだった線形台数が証明だらけで自信がないまま書いた。面接で言われた感じからしてもまったくできていなかったと思う。東大数学はどこを受けるにしても毎年の傾向というものは見つからず、「なんでも」出る。だから早稲田のように傾向分析してもあまり効果がないことはいえる。というより、それしかいえない。

  • 専門科目

大問4つの中から2問を選択。こちらは傾向がある程度あり、順・逆運動学とアルゴリズム(プログラミング)はほぼ確定で、残り2つは論理回路や制御が出る。理想的には早い段階からアルゴリズムの勉強をはじめて、論理回路と運動学に手を出す程度が良いと思うが、自分は手をつけるのが遅かったため、途中でアルゴリズムではなく得意な運動学に力を入れ、論理回路が出ることを信じて勉強した(結果的には出てくれた)。内容のレベルは難しいものと簡単なものがうまく混ざっており、簡単なものを確実に選択できればそこまで難しくはないと思った。

  • 面接

上記3つの一次試験を突破した人のみ。知能機械は先生が15人前後勢ぞろいした中ひとりで喋る。自分はこういうのテンション上がるタイプなので参考にならないかもしれないが、終始貫いた姿勢としては「第一志望じゃないなら合格しても行かない」ことと、「ものづくりなら負けない」こと。正直まだ落ちたと確信していたのでやりたい放題喋ったら第三志望の研究室ながら受かったという・・・そしてこの姿勢が密かに学際情報学府でのプレゼンに生きてきた気がする。




学際情報学府
こっちは試験に関してはとくに言うことはないです。過去問みて勉強すれば大丈夫。半分以上取れば1次は通る(自分が証明)。
学府は何よりもプレゼン重視。そのための準備をいかに完璧にしておくかが勝負の決め手。キチンと考えて準備したのは以下のもの。

  • 研究計画書
  • サークル等ポートフォリオ
  • 推薦書(先生に書いてもらう文章は自分で考える)
  • プレゼン内容・質疑応答

プレゼンがあるのはありがたいと思うべき。研究計画書だけでは伝えきれない点の穴埋めができるし、面接と違ってプレゼンから自分の売り込みたいところを誘導できるのもありがたい点。以下まとめ。

  • 研究計画書

自分が修士課程に進む理由となる重要な部分。プレゼン内容もこの研究計画書に則ったものになるだろうし、質疑応答で突っ込まれること間違いなしなので、基盤となるここがしっかりできていないと先に進めない。自分のやりたいことは何なのか、というところをしっかり持って書くことが重要だし、それを表現する方法も考えていくべき(内容だけでなく、書面の体裁も)。

せっかく鳥人間とか特殊なことやっているのだから、売り込みには使うべきだし、何よりも自己PRとしての項目に入るので、何もないのに比べれば遥かに印象が良いと思われる。

  • 推薦書

これも面接のときに読んでいるのを確認した。これで「しめた!」と思ったのは内緒。なぜならば、推薦書は先生に「ものづくりのセンスが良い」という内容を実例含めてこれ見よがしに書いてもらっていたので、ここでものづくりの話に持っていければいける!と考えたからだ。

  • プレゼン

プレゼンは上記3つで張った伏線をいかに回収しきるかがポイントだと思う。研究計画は間違いなく聞かれるところなので、自分はロボット工学を志した理由から入り、それを長期的なスパンで達成するには○○先生のこういう内容の研究に貢献することがのちのち重要だと「私は」考えているという路線を貫き、これに伴い、その研究ができない第2志望以下だったら東大には入らないと断言していた。これは言うときはドキドキだけれど、終わってみればよかったかな、と思う。そのくらいの意気込みがなければテストの結果が悪かった自分は太刀打ちできなかっただろうし、それぐらい自分のやりたいことが固まってるアピールができたほうが、先生方の印象も良かっただろう。
また、どうしてもものづくりの話がしたかったため、サークルネタを前面に出したし、推薦書も読まれないことは無いと信じてものづくりの内容で通した。なぜものづくりの話題に持って行きたかったかといえば、東大で新たに行いたい研究は「専門外」の内容であり、自分で論文等を読んで考えた、稚拙なものである。それにくらべてものづくりは自分のフィールドであり、深く突っ込まれても返答できる自信があったし、応答の態度も自然と自信のあるものへと変わる。この心理状況は一発勝負のプレゼンにおいては重要なものであるだろうし、相手への印象も良い(はず)。自分の得意なものがあるならば、それを前面に出せるようにすべての準備を行うことは基本なのかもしれない。


総括

  • 数学と英語は早めに手をつけるべし(できれば4月には)

英語はどこを受けるにしても必要。TOEFLTOEICが必要だったりするので、3年生のうちから何度か受けて高得点を取っておけば、院試勉強で英語に時間を取られない利点あり。また、数学は早稲田総合機械以外はあると思って間違いないし、専門科目にも必要なので、早めに復習しておいて無駄になることはない。

  • 研究計画をキチンと練るべし

研究計画がキチンと練れていれば、研究計画書はもちろんのこと、面接やプレゼンにも一貫性が出てきて、それに従って話せば理路整然とした話ができる。それ即ち「自分の考えを持っている人」と思われるための第一歩。

  • 体調は万全にしておくべし

体調不良で実力が発揮できなかったり、勉強時間が減るのはもったいないと痛感した。睡眠時間は4時間半は取ろう。



以上。正直なところ、早稲田と違って一次試験対策はうまくいったとは思えなかったけれど、プレゼン等の二次試験の準備をほぼ完璧に行っていたことが勝因だったと思う。他大学へ進学するときは、先生もほぼ全く知らない相手を取るかどうかを考えるために、気合を入れて面接を行っているだろうし(これは面接時間が内部生よりも明らかに長いことからもいえる)、逆に一次試験が悪くとも「こいつは面白そうだ」と思わせることができれば、合格も夢ではない。というか現実になった。

大学院進学をするにあたって、どうしても推薦がもらえるとなるとそれに乗っかって進学してしまうかもしれないが、そこは冷静になってもう一度あれこれ考えてから推薦を取るかどうか決めていただきたい。自分の研究内容が決まってきているところで他大の研究内容を見ると、どっちのほうが自分のやりたいことに近いのかが結構一瞬でわかるし、推薦を取ってから後悔するくらいなら、必死になってとりあえず自分の大学も受かっておいて、他大学受験に挑戦できたほうが後悔は少ない(はず)。


来年受験を受ける皆様には、ぜひとも今からなんとなく色々考えておいて欲しい。それがきっと充実した研究生活へとつながるはず。




参考書

TOEFL-ITP文法はこれ一冊で完璧。パワフルコードを覚えるだけでも7割くらいは取れるんじゃないかと思えてくる。良本。

CBTってもうないじゃん、と思うかもしれないが、内容はPBT→ITPと引き継がれているものなのでほぼ同じ。内容もしっかりしていますが、どちらかというと付属CDを使って英語耳を作るのに使っていました。寝るときに毎日英語の音声流していたら日に日にリスニング力があがりましたw

TOEIC390点だった自分が約3週間で650点まで上がりました。結局TOEICスコアは使えなかったけど。超TOEIC特化型実践的内容。

東大の過去問と同じ例題があったりします。時間をかけて勉強できればかなり実力がつくこと間違いなし。

ディジタル回路の中から基礎的なものを満遍なく学べます。図解で具体的に例を示してあるので覚えやすく、しかもそのままテストに出たりもするのでかなり役立ちました。

自分は時間がなかったのでこの本で基礎的な部分を押さえて、詳しく知りたいところはネットや研究室にあった本をチラ見しましたが、正直この本だけで十分に戦えます。過去問もこれで解けたし。オーム社の本は結構優秀です。



まとめつかれた。来年院進学する人の参考になることを願います。