院試まとめ

院試が終わってから随分時間が経ってしまった。忘れないうちにまとめ。

院試結果
早稲田大学理工学術院創造理工学研究科総合機械工学専攻 合格(第一志望研究室)、辞退
東京大学大学院情報理工学研究科知能機械情報学専攻 合格(第三志望研究室)、辞退
東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻 合格(第一志望研究室)※進学予定

終わってみれば合格だらけ。うれしい反面、手ごたえはまったくなかったのに合格してしまったことに疑問が残る。早稲田は受かったとは思ったけど、東大は正直1次で落ちたと思っていた。特に情理。早稲田は前回書いたし、反省点は前回とほとんど変わらないので、東大院試に関して以下まとめ。先に言っとくと、今回のまとめは役に立ちません。


情報理工学研究科
テスト内容は

  • TOEFL
  • 数学
  • 専門科目
  • 面接

の4つ。TOEFLに関しては試験数日前から完全に体調を崩し、当日も微妙な状態での試験のわりにはできた。しかしひどかったのは数学。大問が3つあったのだが、解けたのはその中の小問1つ。足切られた!と確信する内容だったが、めげずに専門科目を受けたらなぜか面接へ進めた。知能機械は面接まで進めれば、どの研究室でも良いならほぼ合格確定。ただ、学際情報学府に本命を残していたので、辞退。以下各試験対策(?)。

TOEICと同じノリで行くと死亡確定。本来はTOEFL−iBTのスコアを提出するのだが、東大で1度だけTOEFL-ITPを行ってくれ、その成績のみITPで受け付けてもらえる。iBTがスピーキングやライティングがあったりで、帰国だったりしない限りかなりの鬼門なので迷わずITPを受けることをオススメする。ITPはリスニング・文法・リーディングの3つで、しかも難易度もTOEICよりは難しいが死ぬほどではない。リスニングは短期間では身に付かないかもしれないが、文法は2週間ガチでやればかなりの高得点が期待できる。
使った参考書は最後にまとめます。

  • 数学

対策したところがほとんど出ない上、内容も鬼畜。出題内容は大問が3つで、線形台数と行列を組合せた問題の証明・不定積分複素平面・確率統計。複素平面とか習ってないよ・・・という絶望感と、かなり対策したつもりだった線形台数が証明だらけで自信がないまま書いた。面接で言われた感じからしてもまったくできていなかったと思う。東大数学はどこを受けるにしても毎年の傾向というものは見つからず、「なんでも」出る。だから早稲田のように傾向分析してもあまり効果がないことはいえる。というより、それしかいえない。

  • 専門科目

大問4つの中から2問を選択。こちらは傾向がある程度あり、順・逆運動学とアルゴリズム(プログラミング)はほぼ確定で、残り2つは論理回路や制御が出る。理想的には早い段階からアルゴリズムの勉強をはじめて、論理回路と運動学に手を出す程度が良いと思うが、自分は手をつけるのが遅かったため、途中でアルゴリズムではなく得意な運動学に力を入れ、論理回路が出ることを信じて勉強した(結果的には出てくれた)。内容のレベルは難しいものと簡単なものがうまく混ざっており、簡単なものを確実に選択できればそこまで難しくはないと思った。

  • 面接

上記3つの一次試験を突破した人のみ。知能機械は先生が15人前後勢ぞろいした中ひとりで喋る。自分はこういうのテンション上がるタイプなので参考にならないかもしれないが、終始貫いた姿勢としては「第一志望じゃないなら合格しても行かない」ことと、「ものづくりなら負けない」こと。正直まだ落ちたと確信していたのでやりたい放題喋ったら第三志望の研究室ながら受かったという・・・そしてこの姿勢が密かに学際情報学府でのプレゼンに生きてきた気がする。




学際情報学府
こっちは試験に関してはとくに言うことはないです。過去問みて勉強すれば大丈夫。半分以上取れば1次は通る(自分が証明)。
学府は何よりもプレゼン重視。そのための準備をいかに完璧にしておくかが勝負の決め手。キチンと考えて準備したのは以下のもの。

  • 研究計画書
  • サークル等ポートフォリオ
  • 推薦書(先生に書いてもらう文章は自分で考える)
  • プレゼン内容・質疑応答

プレゼンがあるのはありがたいと思うべき。研究計画書だけでは伝えきれない点の穴埋めができるし、面接と違ってプレゼンから自分の売り込みたいところを誘導できるのもありがたい点。以下まとめ。

  • 研究計画書

自分が修士課程に進む理由となる重要な部分。プレゼン内容もこの研究計画書に則ったものになるだろうし、質疑応答で突っ込まれること間違いなしなので、基盤となるここがしっかりできていないと先に進めない。自分のやりたいことは何なのか、というところをしっかり持って書くことが重要だし、それを表現する方法も考えていくべき(内容だけでなく、書面の体裁も)。

せっかく鳥人間とか特殊なことやっているのだから、売り込みには使うべきだし、何よりも自己PRとしての項目に入るので、何もないのに比べれば遥かに印象が良いと思われる。

  • 推薦書

これも面接のときに読んでいるのを確認した。これで「しめた!」と思ったのは内緒。なぜならば、推薦書は先生に「ものづくりのセンスが良い」という内容を実例含めてこれ見よがしに書いてもらっていたので、ここでものづくりの話に持っていければいける!と考えたからだ。

  • プレゼン

プレゼンは上記3つで張った伏線をいかに回収しきるかがポイントだと思う。研究計画は間違いなく聞かれるところなので、自分はロボット工学を志した理由から入り、それを長期的なスパンで達成するには○○先生のこういう内容の研究に貢献することがのちのち重要だと「私は」考えているという路線を貫き、これに伴い、その研究ができない第2志望以下だったら東大には入らないと断言していた。これは言うときはドキドキだけれど、終わってみればよかったかな、と思う。そのくらいの意気込みがなければテストの結果が悪かった自分は太刀打ちできなかっただろうし、それぐらい自分のやりたいことが固まってるアピールができたほうが、先生方の印象も良かっただろう。
また、どうしてもものづくりの話がしたかったため、サークルネタを前面に出したし、推薦書も読まれないことは無いと信じてものづくりの内容で通した。なぜものづくりの話題に持って行きたかったかといえば、東大で新たに行いたい研究は「専門外」の内容であり、自分で論文等を読んで考えた、稚拙なものである。それにくらべてものづくりは自分のフィールドであり、深く突っ込まれても返答できる自信があったし、応答の態度も自然と自信のあるものへと変わる。この心理状況は一発勝負のプレゼンにおいては重要なものであるだろうし、相手への印象も良い(はず)。自分の得意なものがあるならば、それを前面に出せるようにすべての準備を行うことは基本なのかもしれない。


総括

  • 数学と英語は早めに手をつけるべし(できれば4月には)

英語はどこを受けるにしても必要。TOEFLTOEICが必要だったりするので、3年生のうちから何度か受けて高得点を取っておけば、院試勉強で英語に時間を取られない利点あり。また、数学は早稲田総合機械以外はあると思って間違いないし、専門科目にも必要なので、早めに復習しておいて無駄になることはない。

  • 研究計画をキチンと練るべし

研究計画がキチンと練れていれば、研究計画書はもちろんのこと、面接やプレゼンにも一貫性が出てきて、それに従って話せば理路整然とした話ができる。それ即ち「自分の考えを持っている人」と思われるための第一歩。

  • 体調は万全にしておくべし

体調不良で実力が発揮できなかったり、勉強時間が減るのはもったいないと痛感した。睡眠時間は4時間半は取ろう。



以上。正直なところ、早稲田と違って一次試験対策はうまくいったとは思えなかったけれど、プレゼン等の二次試験の準備をほぼ完璧に行っていたことが勝因だったと思う。他大学へ進学するときは、先生もほぼ全く知らない相手を取るかどうかを考えるために、気合を入れて面接を行っているだろうし(これは面接時間が内部生よりも明らかに長いことからもいえる)、逆に一次試験が悪くとも「こいつは面白そうだ」と思わせることができれば、合格も夢ではない。というか現実になった。

大学院進学をするにあたって、どうしても推薦がもらえるとなるとそれに乗っかって進学してしまうかもしれないが、そこは冷静になってもう一度あれこれ考えてから推薦を取るかどうか決めていただきたい。自分の研究内容が決まってきているところで他大の研究内容を見ると、どっちのほうが自分のやりたいことに近いのかが結構一瞬でわかるし、推薦を取ってから後悔するくらいなら、必死になってとりあえず自分の大学も受かっておいて、他大学受験に挑戦できたほうが後悔は少ない(はず)。


来年受験を受ける皆様には、ぜひとも今からなんとなく色々考えておいて欲しい。それがきっと充実した研究生活へとつながるはず。




参考書

TOEFL-ITP文法はこれ一冊で完璧。パワフルコードを覚えるだけでも7割くらいは取れるんじゃないかと思えてくる。良本。

CBTってもうないじゃん、と思うかもしれないが、内容はPBT→ITPと引き継がれているものなのでほぼ同じ。内容もしっかりしていますが、どちらかというと付属CDを使って英語耳を作るのに使っていました。寝るときに毎日英語の音声流していたら日に日にリスニング力があがりましたw

TOEIC390点だった自分が約3週間で650点まで上がりました。結局TOEICスコアは使えなかったけど。超TOEIC特化型実践的内容。

東大の過去問と同じ例題があったりします。時間をかけて勉強できればかなり実力がつくこと間違いなし。

ディジタル回路の中から基礎的なものを満遍なく学べます。図解で具体的に例を示してあるので覚えやすく、しかもそのままテストに出たりもするのでかなり役立ちました。

自分は時間がなかったのでこの本で基礎的な部分を押さえて、詳しく知りたいところはネットや研究室にあった本をチラ見しましたが、正直この本だけで十分に戦えます。過去問もこれで解けたし。オーム社の本は結構優秀です。



まとめつかれた。来年院進学する人の参考になることを願います。

院試半ばの反省会

早稲田院試も合格で無事終わり、残すは本命の東大情報理工・学際情報学府の2つとなった。まだまだやるべきことは山積みだが、来年以降、自分と似たような状況に立たされる人もいると思うので、記憶の新しいうちに軽くまとめておこうと思う。ちなみにタイトルはどっかのパクリ



早稲田(総合機械)院試対策
早稲田総合機械の院試は、英語・小論文・専門科目(熱・流体から2問、材力2問、メカトロニクスとコントロールから2問のうち2つ選択)とほぼ決まっている。英語・小論文は適当でもなんとかなるので、ここでは専門で自分が選んだ熱と材力について述べる。

  • 熱力

必ず可逆サイクルが出る→理想気体の状態変化(体積・圧力・温度・仕事・熱量・エントロピ)が分かればほぼ満点が取れる

とにかく簡単。これを選ばないのはもったいなさすぎる。ただし、今年度は過去7年間必ず初めに与えられる定数としてあった比熱比κが与えられず、かわりに定圧比熱
     Cp=(TA+B)  [T:絶対温度,A・B:定数]
が与えられ,平均比熱の概念が身に付いていない人は1問も解けないような内容だった。したがって、今年度は先生としては作戦が成功して味を占めたと思うので、来年も引き続きこのような嫌がらせ(?)をしてくる可能性がある。そのため単純にサイクルだけを丸暗記するのではなく、基礎の基礎もキチンとおさえておくべき。そんなの基本だろといわれればそれまでだけど、案外院試の勉強期間がなく、手一杯になると細かく気を配る余裕がなくなるので。


  • 材力

はりの曲げ問題の易化傾向→2007年度から(総合機械になってから)明らかに易化

材力は

  1. 材料固有の関係(材料の力学的特性や応力・ひずみの関係)を求めるもの
  2. 力学的・幾何学的な関係(力・モーメントの釣り合い、変形の幾何学、ひずみ、変位などの関係)を求めるもの

の2問が出る。昔から材力は簡単だといわれているが、実際は難易度が安定しなかったり、参考書には載っていないような変な問題が出たり、1問目を間違えると全部間違えたりするような問題が出るなど、何気に合否を分ける部分だったと考えられる。しかし、総合機械になってから少なくとも後者の問題を作る先生が総合機械になってから変わったため(面接で先生に聞いたから間違いない)、簡単になった。今年度は昨年度よりは難しかったが、それでも力・モーメントの釣り合い、フックの法則、たわみの基礎式、カスチリアーノの定理あたりができていればほぼ満点確実な内容だった。よって、材力が得意でもない人は、いっそ曲げの問題に絞って勉強してしまっても良いかもしれない。
ただし、1問目を間違えるとなし崩し的に倒れるのは変わらないので、問1・問2あたりは神経質なくらいに見直したほうが良い。


  • 総評

いままでは材力が安定していなかったため、熱力とその他ひとつ(大抵材力か制御だが)という取り方をする人が多かったと考えられるが、材力が簡単になったことにより、ほとんどの人が熱力・材力に絞ってくると考えられる。これはつまり、専門2問のうちどちらかを落とすと
     周りの人ができているのに自分はできていない=おちr
ということになりかねないので、足切りではなく定員と戦うような状況になる研究室(ex.菅野研、上杉研?←当日受験票みたらいっぱいいた、など)では満点近いあたりでの争いが予想される。よって、院試対策としては流体や制御、メカトロなどにも手を出そうなどとは考えず、熱のサイクル問題と材力に絞って例題を解きまくるのが一番効率がよいのではないだろうか。実際、自分もこの2つに絞って傾向調査をして、授業資料や参考書から必要な部分だけ取り出して演習を解いていたことで、本番も難なく解くことができたし、先生からもかなりの高得点だったというお褒めの言葉も頂いた。早稲田の先生はめんどくさがりだろうし、問題の傾向が大きく変わることは無いと思うのでこのとおりにやればいけると思う(保障はしないよ、笑)。


◎スケジュール管理
こちらは反省点だらけである。以下、4月からの経験。

  • 4月

−上旬
推薦枠が決まるが、きわどく入れず。ここから早稲田以外の行きたい研究室を探す。とりあえずロボット関係と、昔から興味のある宇宙関係に絞って調べ、いくつか候補を決める。
−下旬
募集要項がどんどん発表されていく。ここでトラブル発生。
TOEFLが提出締め切りに間に合わない
ことで、東工大が受けられなくなる。ここで急いでTOEICの申し込みをし、阪大や東北大などぎりぎり提出が間に合うところを受けるためにTOEIC対策を余儀なくされる。さらに

  • 5月

−上旬
第2のトラブル。
試験日程が被った
ことで、東大・阪大・東北大から1つを選ばなければならないことに。悩みに悩むが、とりあえずTOEIC対策は続ける。
−中旬
東大の説明会や5月祭で情報収集。このあたりで@hrkiに学際情報学府の存在を聞く。勉強よりプレゼンとかのほうが得意なのでかなり有力候補に。
−下旬
どこに研究室訪問するかを考える。他大学を受ける場合は研究室訪問がほぼ最低条件かのような雰囲気があるので、結構重要。顔知らんやつなんぞ入れてくれないと思うので。

  • 6月

−上旬
結局東大に絞ることに。そのかわり東大はTOEICが使えないのでTOEIC関係がほぼ無駄に……そして研究室訪問のお願いメールの返事が1週間以上こなくてちょっと焦る。
東大を選んだ理由は研究内容が面白かったことはもちろん、情報理工と学際情報学府という2つのチャンスがあることと、金銭的な問題である。奨学金は2年間で200万近くもらえる予定だが、早稲田でそのまま上がると入学金がかからないので190万円ちょい、阪大・東北大は入学金・授業料は足して130万前後だが、一人暮らし代が月5万で計算すると合わせて250万ちょいで、新たにバイトを探したりする必要もある。その点東大は現状のままでしかも奨学金が70万程度残るということで、バイトをしなくとも生活していけるくらい。
−中旬
もう一回研究室訪問のお願いを送ったら、先生が忙しいのと、訪問したい人が多いことで調整が難航しているとのこと。人気があるのは知っていたが、ここまでとは……
また、研究室は6月終わりから休みをもらえることに。この辺の交渉は重要。しかし、その代わりといっては何だが、研究生活が忙しくなり、勉強はあまり進まず。さらに、6月後半に中間発表の日程が早稲田試験の1次・2次の間に入ることがわかる。ここを甘く見ていたことが7月の地獄へとつながる。
−下旬
研究室の休みが始める。とりあえず過去問と研究室やらの先輩の話から、熱力・材力・制御の3つを勉強しようと思い、理工で本を借りる。さらに、研究室の先輩から過去問や過去問の答え(間違ってたのもあったけど)などをもらう。先輩からは基本的に有力な情報ばかりもらえるので、聞ける限り色々聞くのが吉。

  • 7月

−上旬
休みをもらってガッツリ勉強できるかと思いきや、研究室のミーティングとその資料作りやら、東大情報理工の出願書類の作成やらで予想外に時間がなくなる。ここで早稲田対策としてやろうと思っていた制御を切り、熱と材力に絞ることに決める。ここの判断は正解だったと思う。
また、東大の研究室見学で改めて行きたい研究室の人気っぷりを知る。でも、外部から受ける人で友達ができ、色々と情報交換ができるようになったのは吉。
−中旬
早稲田対策と東大学際情報学府の願書資料を平行して作る。ここからが地獄の始まり。学際情報学府は願書に必要な書類が激しく多い。研究計画書(A4で2枚)、自己推薦書、先生の推薦書など、結構重く、しかも合否に重要(だと思われる)。でもこのあたりの日程は
19日 早稲田1次
20日〜23日 中間発表準備、中間発表
24日 学際情報学府出願締め切り
とてんこ盛り。

−下旬
試験終了から@hrkiの協力を激しく受けつつ、学府の資料作りに専念。
したかったのだが、
そこは中間発表。なかなかシートのOKがもらえず、連日徹夜でシートを作るハメに(まぁこれはうちの上司が……まぁいいや)。
結局20日〜23日は一睡もできず、WASA現役時代の記録(72時間作業後、フライスでペラマウント作り)を超える勢いに。
−24日
中間発表後からそのまま研究計画書作り。@hrkiに見てもらいつつ修正。でも研究計画書と自己推薦書以外のものはまったく手付かずの状態だったので地味に時間をとられる。さらに、中間発表準備期間にやろうと思っていた受験料の振込みや証明写真の撮影などができなかったことで、さらに時間をとられ、半分程度しか完成していない状態で@hrki家に駆け込む(このとき21時頃)。
そこで半ば諦めていた提出資料として使えるポートフォリオを@hrkiが作成してくれていたことを知る。超絶感動。そこでさらに追い込みをかけて研究計画書などなどを完成させ、ポートフォリオなどなど含め全ての資料が完成したのが23時51分。そこからダッシュで郵便局へ駆け込み、23時55分に無事提出、なんとか期限内の消印ゲット。喜びのハイタッチ後、@hrki宅へ戻ってびしょ濡れの@tkfも呼び、@salamann家とビデオチャットしながら夜を明かし、結局寝ずに早稲田の面接を受けるというなめ腐った内容で無事合格。とりあえず、@hrkiの協力がなかったら間に合わなかったか、間に合ったとしてもグダグダな資料だった。@hrkiに感謝。
中間発表中と24日の朝にとった仮眠合計3時間を除けば、110時間以上活動してたなぁ。人間がんばればなんとかなるもんです。

そして現在、東大試験勉強に励む日々。



◎反省点

院推薦の発表が遅いのと、募集要項の発表タイミングが遅いのもあり、他大を受けようと思った頃にはもうTOEICTOEFLが間に合わない、ということがある。そのため、推薦がもらえなさそうな人や、少しでも他大を受けようと考えている人は必ず1〜3月の間にTOEICTOEFLも受けておくことをオススメする。ここで受けておかないと自分のように出願できないこともあるし、何より高得点を取れる可能性が減るため。

  • 受ける大学の過去問分析を早めにやる

大学によって試験の傾向はほとんど決まっている。特に早稲田は傾向さえ分かっていればピンポイントで勉強するだけで高得点が取れる。つまり、長々まんべんなく勉強している人より、重点的にちょこっと勉強している人のほうが合格してしまうということが十分にあり得る。そのため、短い時間で合格するには、過去問解析が重要であると考えられる。

  • 出願手続きはお早めに

ぎりぎりまで引っ張ってはいけないのは、お金の振込み。出願は消印有効でも銀行は15時までなので、書類ができてから振り込もうと思ったら終わってた!死んだ!なんてなっても後の祭り。また、研究室の用事などで予定どおりには行かないものだと思って、とにかく早め早めから書類を作っておくのは重要。今回自分は何度もいうように@hrkiの協力がなかったら無理だった。とにかく前もって準備を。

  • 受験校はがんばって3つ

院試は大学入試と異なり、受ける場所によって出題内容にかなり差がある。そのため、まともな対策をして受けられるのは3つ程度だと思われる。正直2つでも結構しんどい。自分は早稲田と東大2つだが、東大は実質学際情報学府に絞り、情報理工は学府の延長でできるプログラミングと数学をメインでやって、その他はひどい点数を取らない程度にしかやらないつもりだ。

  • 他大の内部に知り合いを

何をするにも、内部生のほうが事情には詳しい。今回は先達に@hrkiがいたのであまり苦労はしなかったが、もし東大以外を受けようと思っていたら内部生に仲間を作っておいたと思う。たとえば自分の場合、研究計画書をA4二枚といわれて、何も情報がなかったら普通に2枚程度でさらっと書いたが、実際は論文形式でガッツリ書いているなど、合格者のやり方がどういうものなのかを知るのは重要だし、どのような人が求められているのかという情報も、外部から入るならば印象重視だと思うのでやはり重要である。

  • 外乱はなるべく小さく

正直なところ、研究室のミーティングやら中間発表やらはやってる余裕などなかった。できる限り院試以外のことは手を抜くべきだと思うし、いかに院試以外に時間を使わないようにするかを考える必要がある。院試は院浪などすると1年とお金を無駄にしてしまうように、人生でも重要なことなので、多少あれこれ言われてもその他は気にしないくらいで良いと思った。




とりあえずこんな感じだろうか。ぜひとも来年院試などなどを受ける人にはがんばってもらいたいし、同じようなミスをしないように注意してもらいたい。
さて、あとはがんばって学府合格目指してとりあえず英語とプログラミングと数学の勉強だ。@hrkiの協力を無駄にするわけにはいかない。

まるでそれは走馬灯のように

おじいちゃんが亡くなった。骨の癌だった。




新潟の家。



中越地震の後に一度行ったきりで、気がつけば何年この家に来ていなかったのだろう……地震の傷などとっくに過ぎ去り、むしろ家の2階などはキレイに様変わりしていた。大学に入ってから鳥人間やらバイトやらで、毎年のように行っていた新潟にもあまり行かなくなってしまっていた。
ここ最近はお見舞いに来ていたが、病院に直接行って、次の日は用事があるから新幹線で帰る……ということしかなかったからだろう、こんなに来たのが久しぶりだったのは。




2階からの景色。奥の木に囲まれた神社でよく遊んでいた。



いとこ7人が全員揃ったのは何年ぶりだろう?恐らく前は幼稚園か小学校の頃くらいだったような気がする。こんなことをいうと不謹慎なような気もするが、こんな機会でなければそうそう集まれるものでもないので嬉しかった。私は幼稚園の頃から本当に親しくしていた幼馴染のような人はいないので、年の近いいとこが幼馴染のようなものだったからだ。
同い年の女の子や、その妹の子は年が近かったからよく遊んだもので、顔を見ると昔一緒に遊んでいたときの記憶が鮮明に蘇ってくる。

「この押入れの中で遊んだよね」
「あのとき蛙踏んで転んで大泣きしたの覚えてる?」
「なんであんなに蝉の抜け殻集めたんだろう」
「夜、外に茣蓙を引いて寝転がって空見ながら流れ星数えたな」

とか。思い出しはじめたらキリがないけれど、思い出そうと思わなくても勝手に思い出してしまうから不思議だ。



神社。昔は遠く感じたけど今は歩いて2分くらいだった。


遊具。昔から何も変わらない。

空も悲しげ。



亡くなるつい2日前にお見舞いに行ったときには、もう喋れる状態ではなかったけれど生きていた。でも、やっぱり限界だったようだ。
おじいちゃんの癌は骨のものだったので、寝ているだけでもかなり痛そうあった。そう考えると、長く苦しまなくて済んだのは良かったのかもしれない。でも、やっぱりもっと長く生きて欲しかった。忙しさに負けてなかなか新潟に行っていなかったことを後悔した。




庭の錦鯉。おじいちゃんが育てていた。



葬式では、私の父が喪主だった。こんなことをいうのもなんだが、打たれ弱い父なので心配していたが、このときの父はしっかりしていた。病院にお見舞いに行っておじいちゃんの容態が予想以上に悪いのを見た帰りなどは車で事故を起こしそうになったりするほどだったのに、本当にしっかりしていた。なんだかんだいっても父が亡くなったのだから私が受けている喪失感なんて比ではないはずだろうに。そう考えて、父が頑張っている間は私も頑張ろうと決めた。
おくりびとの手伝いをしたり、通夜で兄と一晩中線香の火を絶やさないように見張っていたりもしたけれど(WASAの徹夜力が活きた)、それは父の姿があったからこそ辛くなかったのだと今になって思う。




へび。


朽ちた木を寝床にしているらしい。



告別式のとき、棺桶にお花を入れるときも心の中で「泣くな泣くな泣くな……」と唱え続けていたけれど、さすがに耐えられなかった。無意識におじいちゃんとの思い出が浮かぶ。時間でいったらほんの数秒だっただろうけど、高速でスライドショーを回しながらおじいちゃんの声が流れてくるような感じ。頭の中がチカチカして、どうしようもなくこみ上げてくるものがあって、気が付くと泣いていた。走馬灯って、死ぬときに起こるんじゃなくて、あまりにも近いところで死を感じると起きるのかな?そんなことを考えていた。




蛇が寝ている木にいた蛙。


何事もなかったかのように、昔と変わらない風景だった。



火葬場で最後のお別れをした後、兄と二人で焼き場の番をした。風が強くて雲の流れがとても速い。山から吹き降りてくる風が草原や田んぼを駆け抜けている様子がトトロのシーンみたいだった。この風にのって天国まですっと昇ってください。そう強く願った。

うーん

 何かと忙しい生活にかわりはなく、結局また放置してしまった。とりあえず近況。


 uru/runは進化に進化をして、第一回チキチキロボマッチなるものの予選で3位になった。しかも3点差の僅差。
 個人的にはあれこれ考えて作ったモーションが大好評だったので良かったのだが、これに勝っていたらROBO-ONEに出れたのか……と思うと、やはり悔しい。

 しかし研究室も始まってしまっていて、最近はなかなか手をつけられていない状況。そして余裕がないのは事実。うーん……。


 そう、研究室といえば、研究室の班は、正直あまり行きたくないと思っていたところに配属されてしまった。
 TWENDY-ONEに行けない状況は想定していたが、まさかあまり興味のないところになるとは……ロボットですらない。建機か。うーん……。
 ただ、諦めたかといわれれば諦めていない。先生との面談でM1で移動することは可能かどうかも聞いてみるつもりだ。もしダメなら他大を受けるかもしれない。今の班は、お金を払ってまでやりたい研究ではない。

 かといって、やる気がないわけではないのだ。現在のものはかなり気に食わない点があり、自分なりにこうしたらよいだろうという考えもあるのだが……どうやらもうやるべきことが決まっていて、それを強制的にやるような方針のようだ。うーん……。



話は変わって。
追いコンでもらったカイワレダイコンがめきめきと育っている。ほんとにめきめきと音がしているんじゃないかというくらいめきめき育っている。順を追って成長の記録を振り返ってみよう。


12月30日〜1月1日(1hごと72枚)

途中でズレたのは大掃除中に親が蹴ったため。


3月1日

つぼみか??


3月18日

なんか出てきて……


3月21日

はい、こんにちは。


3月23〜24日(0.5hごと72枚)

朝に合わせて咲くんだね。


3月27日

八分咲。



きっと次の朝には満開だ。自分も負けずにがんばろう。

歩く

 最近、2足ロボットを作っている。機体製作は面取りしか協力できなかったのでモーションはどうにか活躍したいと思い、久々にまじめに考えて作業をしている。
 WASAで作業をしていた頃は、常に頭を回していたこともあってか、とっさの機転や発想は強いほうだったと思う。しかし、引退してからというもののあまり頭をフル活用しなくてもなんとかなる生活が続いていたので、結構錆付いていたのを感じるくらいだった。研究室ロボコンでソフトをやっていたら違う意味で頭をフル活用しなければならなかっただろうが……

 まぁそんなことはさておき、ロボットに人間のように歩かせてみるのはなかなか面白い。日ごろ意識していない代表格ともいえる『歩く』という行為を、とことん意識していかなければならないからだ。錆付いた頭を研究室が始まる前に潤滑させるのには最適だと思う。おかげで最近は昔のように集中モードに入れば色々閃くようになってきた。
 正直、2足ロボットのようなものを作るのは完全に初めてだったので、足手まといになるのではないかと不安だったが、うるがモーション作りについて褒めてくれたので素直にうれしい。みんなの話によると恐ろしく早いペースでモーションができているとのことだけれど……初参戦なだけあっていまいちどれくらいすごいことなのかがわからない。でもとりあえず喜んでおこうと思う。


現状。

とりあえずバレンタインデーは初大会。uru/runが学館で動いているときと同じように動いてくれればいいな。

歩くことの考察を書こうかと思ったけど、とりあえず寝なきゃだからまた今度。

明日へ羽ばたく為に

 ここ連日、mixiやこのブログのアクセス数がやたら増えた。もちろん原因は鳥コン中止の件によるものだろう。鳥人間関係者でなくとも、この記事はどこかで目にしているのだろう。
 正直なところ、今回ばかりはどうしたらよいか分からない。OBとしてどう手助けできるだろうか、とも考えてみたいところだが、そもそもこんな辛い経験をしたことがないので、どう声をかけてみたら良いのかもわからない。だから、批判覚悟でせめて私なりに今考えていることを書きたいと思う。これはあくまでも体験していない者の考えることなので、なんの参考にもならないかもしれないが、私の目の届く範囲の誰かの気持ちが動いてくれれば……ということで。読んで不快になりそうな人は読まないでくれてかまわない。自分で読んでももうひとりの自分が批判しているような内容だ。






 まず、現役のみんなの気持ちを考えると、辛くて仕方がない。この辛さは我々24代が思うように飛べなくて、どこかで引きずっているものとは比較にならないほど大きいだろう。書類審査で落ちた、ならまだマシ。機体を評価されることすらないのだ。学生生活をかけてきた機体に対して、これ以上の屈辱はおそらくない。


 ただ、ひとつ疑問に思う。そこまでプライドを持って作ってきたはずの機体が鳥コンに出られないことがほぼ確定しているのに対して、なぜこの段階で記録飛行をやるという意見に固まってきているのだろうか。つまり、『もう少しだけ足掻いてみては』、と思うのだ。ただ足掻くだけじゃなく、本気で足掻いてみてもらいたい。もはやただのOBでしかない私が言ったところで反感を買うだけかもしれないが、もっと足掻ける場所はあるのではないだろうか。それは抵抗なのか、新たな道を見つけることなのかはわからないが、もう2歩ぐらいは先の戦い方があるような気がする。個人としても、チームとしても。

本当にこのまま引退する気なのか。
ここで諦めていいのか。

 足掻いたところで変わらないことのほうが多いだろう。結局ダメで、余計辛い想いをするかもしれない。でも、結果がどうであれ、『何もしないほうがマシだった』と思うことなど本当にあるだろうか?本気で戦って、それでもダメで行う記録飛行と、無理やり自分を納得させて、はじめからそれ目的で行う記録飛行では、同じ価値があるのだろうか。
 辛いからこそ、外へ外へ考えを広げていってほしい。一緒に戦い始めて2年が経とうとしているのに、なぜチームとして小さな考えしか浮かばない?なぜ感傷的になったり、どうにか辛いのを紛らわそうとするだけで『行動』に移そうとしない??

 ブログで悲しんでいたり、ぶつける場所のない想いを意味もなく撒き散らしている場合ではないだろう。本気で考えて戦わなければならないのは、まさに今しかないはずだ。あと1ヶ月も経ってしまえば戦う手段は激減する。署名を集めてみたり、企業に声をかけてみたり、なんなら教育機関を説得してみたりすればいい。学生チームを集めただけでもOBなどなどを考慮すれば軽く1万人を超える人が関わっている競技だ。ダメ元でも行動して行動して行動すれば何かが変わるかもしれない。


 『そんなの現実的じゃない』?では平和に記録飛行をすることが現実的なのか?私はそうは思えない。いままで賭けてきたものを思い出してほしい。その想いは、私が経験してきたものと何ら変わりはないはずだ。だからこそ言える。“まだ引くべき場所ではない”と。



 どのOB・OGも『頑張れなんていえないしなぁ』と言っている。私もそう思う。でも、言葉の意味としてどうとかは考えずにエールとして言うことにしよう。なんとかしてこの状況を打破してもらいたい。辛い過去になる前になんとしてでも。


“頑張れ”


※追記
ただ、読売テレビと対立することは避けたほうがいいと思う。考えがストレートすぎる人のために、念のため。いかに読売テレビを立てつつ、実現に向けるかが勝負のカギな気がする。